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アルミボディ、スタイリッシュ筐体でも排気システムは盤石!15.6インチ高性能ノート。動画編集などクリエイティブな用途に。
DELL Inspiron 15 Plus (Inspiron 15 7510)レビュー!
Tiger Lake-H(開発コード名:Tiger Lake-H45)設計のInspiron 15 Plusをレビューする。コンピューターモデル名ではInspiron 15-7510というので、便宜上、Inspiron 15 Plus(7510)と呼称する。規制モデル名はP106F。
四辺狭額のスタイリッシュ・デザイン。15.6インチ 非光沢 ディスプレイ 【広視野角】 (解像度1920 × 1080)を搭載。天板、パームレストともアルミ素材を用いた筐体で、ダイヤモンドカット加工などワンランク上の高級感がある。カラーリングは「プラチナシルバー」。
デュアルファン内蔵、放熱フィンの付いた排気口を4基実装しており、スタイリッシュ系ノートとしては珍しく排気システムが盤石なノート。レビュー時点ではCPUに8コアのCore i7-11800H、単体GPUにGeForce RTX 3050 Ti やGeForce RTX 3050が搭載できるので、高度な動画編集やちょっとした本格ゲーム用途にも使える。
Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ プライバシー・シャッター 付き。次世代インターフェースのThunderbolt 4(40Gbps)を装備。キーボードではテンキー付き、バックライト・キーボード機能付き。指紋認証リーダー統合の電源ボタン搭載。
一般的にはInspiron 15 Plus(7510)のようなスタイリッシュ薄型ノートでは、発熱と冷却性能の面でTiger Lake-H35のプラットフォームがギリギリである。しかしハイスペックのTiger Lake-H45を採用するために、薄型ながらも盤石な冷却システムを搭載した企業努力を感じる。それが製品名に込められた“ Plus ” なのだろう。(知らんけどな)
2022年1月論評 Tiger Lake -H45 |
※レビューはあくまで実機の一例であるため、選択により各々の構成は異なる。 【寸法・重量】
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※2022年1月30日時点のレビュー。発売日は2021年6月4日である。
構成例:Core i7-11800H + GeForce RTX 3050 Ti(モバイル版)
では、書斎にてInspiron 15 Plus(7510)をじっくり検証させていただこう。まずはスペック面からチェック。今回、導入したInspiron 15 Plus(7510)の構成および、採用されていたベンダーは以下の通り。Inspiron 15 Plus(7510)に対し総括した情報ではなく、手元の実機に限った情報となる。
カスタマイズ選択や仕様変更により同一製品であっても異なる。また、複数からの構成販売およびカスタマイズ販売なので、どこまでが「標準搭載」なのか当方では断定できない。とにかく、実際の購入においては差異があることをご了承いただきたい。
Core i7-11800Hを搭載
Tiger Lake-H(開発コード名:Tiger Lake-H45)の第11世代Core i7-11800Hを搭載している。Tiger Lake初の8コア実装で。HTテクノロジーによって16スレッド動作する上位版CPU。ターボブーストの最大は4.6 GHzもある。Core i7-11800Hには内蔵GPUとして「インテル UHD グラフィックス」を統合している。これは節電のため単体GPU(今回の構成ではGeForce RTX 3050 Ti)と切り替えて使うことが可能。
Tiger Lake-H45のプロセッサは2021年5月に発表された。ゲーミングノートやクリエイター向けのハイエンド・ユーザー向けで、TDPが標準値 45Wに設定されたCPUである。今回搭載しているCore i7-11800HはPCメーカーによりTDP 35-45Wの間で設定できるCPUだが、Inspiron 15 Plus(7510)のマニュアルをみると45Wとある。35Wには下げていないので処理パフォーマンスのダウンはない
Inspiron 15 Plus(7510)のプラットフォーム解説
アーキテクチャ 【 Tiger Lake 設計 】について。Inspiron 15 Plus(7510)に関しては、Tiger Lake-H(開発コード名:Tiger Lake-H45)の項目を参照されたし。
補足コンテンツ: CPU基礎知識
- 基本的なCPUのスペック : 動作周波数(GHz)や、キャッシュメモリ、TDPなど
- 定格内の自動クロックアップ(最大~GHz)の、ターボ・ブースト・テクノロジーとは
- PCの複数同時処理! マルチコアとマルチスレッド(~コア / ~T)とは
- CPUに統合された、内蔵グラフィックとは
このInspiron 15 Plus(7510)で搭載したCore i7-11800Hのパフォーマンスをチェック。ベンチマークテストはCINEBENCH R15によるレンダリングだが、比較するのはパソ兄さんが過去にレビューしたPCに搭載されていたCPUである。これは単にCPU自体のスペックだけでなく、冷却システムなど搭載するPCの環境にも影響を受けている。
オレンジ色のバーが今回のCPUのスコアで1735だった。ゲーミングPCでの搭載例をみるとCore i7-11800H自体のポテンシャルはまだ高そうだが、Inspiron 15 Plus(7510)ではここらあたりのスコアとみられる。ちなみに同じくCore i7-11800Hを搭載したInspiron 16 Plus(7610)では、スコアが1785だったのでパフォーマンスが近い。
CINEBENCH R15ベンチマークテストとは
ドイツMAXON社の3DCG作成ソフト「CINEMA 4D」をベースとしており、レンダリングにかかった時間などでスコアが算出される。CPUを100%稼働させるので「CPU性能指数」の目安になり、コア数が多く(スレッド数が多く)高クロックのCPUほど短時間で処理できる。主にマルチコア環境での参考になる。搭載GPUの影響はほぼ受けない。なお、CINEBENCH R15の結果がCPU性能の全てではないのでご留意を。当サイトにおける、「CINEBENCH R15ベンチマークテスト~過去レビューPCとの比較」も合わせて参考にどうぞ。単体GPUに、GeForce RTX 3050 Ti 4GB GDDR6(モバイル版)
このInspiron 15 Plus(7510)レビュー実機では “ 単体GPU ” にNVIDIA GeForce RTX 3050 Ti 4GB GDDR6(モバイル版)を搭載している。Ti なのでGeForce RTX 3050を少しスペックアップさせたもの。そしてRTXシリーズには、リアルタイムレイトレーシングの処理を行う RTコア、AI処理の低負荷に影響する Tensorコアを実装している。
切り替え可能グラフィック
NVIDIA Optimus テクノロジーにより、低消費電力の内蔵GPUと切り替えられる。今回レビュー実機の場合は、Core i7-11800Hが統合している内蔵グラフィック「インテル UHD グラフィックス」と切り替えられる。基本的にはソフトウェアによる自動切り替えだが、任意の設定は「NVIDIAコントロールパネル」で行える。
上の写真(左側)は「NVIDIAコントロールパネル」の設定画面(3D設定の管理)。「グローバル設定」はグラフィックの切り替えを全アプリにあてた設定だが、これが結構アバウトで信用できない。そのため意図したグラフィックで動作しない場合は、「プログラム設定」でアプリごとに任意のグラフィック指定をすると良い。例えば、特定のアプリを確実に単体GPUで動かしたい場合は、「プログラム設定→プログラムの選択(アプリ指定)→高パフォーマンス NVIDIAプロセッサ」にする。【さらに解説: NVIDIA Optimus テクノロジー】
CPU、GPU以外の構成
チップセットにはHM570を採用。この実機では、“ メインメモリ ” に16GB DDR4メモリ-3200MHzを搭載。SKハイニックス製の8GBメモリを2枚搭載したデュアル・チャンネル構成となっている。
搭載されていた液晶パネルはBOE093F。“ 液晶パネルのメーカー ” はBOEテクノロジー 。このメーカーは過去にハイニックスの液晶ディスプレイ部門を買収しており、世界大手の液晶パネルメーカーである。近年はLGディスプレイの出荷を上回る勢いを見せている。
ストレージには、512GB NVMe SSD(KIOXIA-東芝メモリ製のKBG40ZNS512G)を搭載。PCI Express接続のNVMe SSDなので、かなり高速なストレージである。シーケンシャルリードは2318MB/s。2022年1月時点のNVMe SSDトレンドでは、3000超えもざらにあるので、まずまずの速度で平均的。
補足コンテンツ: ストレージ知識
レビュー実機で搭載しているネットワーク環境をチェック(上記画像を参照)。無線LANにはインテルWi-Fi 6 AX201 160MHzを搭載。Wi-Fi 6(第6世代の無線LAN規格)なので、IEEE802.11axに対応する。Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)から通信速度が向上し、「複数端末環境における通信の安定性」、「接続する端末の省電力性」で向上している。Bluetoothにも対応。
なお、有線LANは搭載していないのでネット接続には無線環境が必須となる。または市販されているUSB接続の「有線LANアダプタ」を導入すれば対応可能。
補足コンテンツ: ネットワーク基礎知識
- 無線LANおよび、有線LANの規格について
- Bluetooth(ブルートゥース)とは ~異なるメーカーの周辺機器をまとめて無線接続
カバー・オープン・センサー搭載
ディスプレイを開くと、自動でPCが起動する「カバー・オープン・センサー」を搭載。これは使用時に電源ボタンを押す手間が省ける機能。ディスプレイを開くことで反応するので、リッド(蓋)センサーともいう。Inspiron 15 Plus(7510)の製品ページでは「パネル オープン センサー」と表現している。名称に統一性はないようだ。なお、便利な半面、清掃など起動目的ではないときでも、開けば強制的に起動するのは少々ありがた迷惑な時もある。
ゲーム・ベンチマークテスト
Core i7-11800HおよびGeForce RTX 3050 Ti 4GB GDDR6(モバイル版)を搭載した、このInspiron 15 Plus(7510)でベンチマークテストを実施。スタイリッシュ系ノートだと、いくらハイスペックでも排気システムがイマイチの場合があるが、Inspiron 15 Plus(7510)ではデュアルファンを内蔵し、放熱フィン付きの排気口を4基実装しているので、わりとゲーミングノートでも通用するモデルと思われる。
高負荷なFINAL FANTASY XVの標準品質 1920 × 1080において、スコアは「7412」をマーク。指標は快適であり、実質的に十分プレイ可能な性能である。※指標は「6000~8999 快適 」
完全にオーバースペックだが、古いゲームのベンチマークテストも実施した。以下、ゲームタイトルのリンクをクリックすると、当方過去のレビューPCと比較できる。
2022年1月論評 Tiger Lake -H45 |
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ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
12917 | |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター (1920 × 1080 最高品質 DirectX 11 フルスクリーン) |
13219 | |
FINAL FANTASY XV・ベンチマークテスト 1920 × 1080 (標準品質 フルスクリーン) |
7412 | |
バイオハザード6~2013年 (1920 × 1080 品質:初期設定 DirectX 9.0c フルスクリーン) |
19542 | |
ストリートファイター4~2009年 (1920 × 1080 デフォルト 垂直同期OFF フルスクリーン) |
588.17 |
補足: ゲームのベンチマークテストについて
- バッテリー駆動では著しくパフォーマンスが下がるので、ACアダプタは常時接続している。
- PCの排熱性能(冷却システム)によって、CPUやGPUのパフォーマンスに影響がでるため、純粋にそのCPUやGPUだけの性能とは言えない。(ポテンシャルを引き出していない場合もある)
- 3Dゲームでは美麗な描写処理を担うグラフィック(GPU)の性能が重視されるが、CPUも軽視できない。炎、煙、風、速度などの自然現象をシミュレーションする物理演算(エフェクト)や、プレイヤーが操作しないキャラクター(NPC-non player character)を動かすのは人工知能(AI)であり、それはCPUが担っている。ゆえにCPUの依存度はゲームの処理内容による。
4辺狭額のスタイリッシュ、広視野角、15.6インチ ディスプレイ
15.6インチ 非光沢 ディスプレイ 【広視野角】 フルHD(1920 × 1080)を搭載。
四辺狭額デザインで、特に細いベゼルでは約5mmほど。※液晶パネルに少し黒縁があるが、これはカウントしていない。
ベゼルは少し段差になっており、後方ではアルミ天板が半分被さっているデザイン。
ディスプレイ中央にWebカメラとデュアルマイクを内蔵。
セキュリティ機能として、Webカメラにはレンズを物理的にふさぐ プライバシー・シャッター付き。上のレバー(Safe View スイッチ)をスライドすることで開け閉めできる。
15.6インチ画面にフルHD(1920 × 1080)解像度。高解像度で細かい表示になるため、DELLの初期設定および推奨設定では125%拡大になっている。レビューでは基本を示すため、掲載写真では拡大なしのドットバイドット表示(100%)に設定し直している。見え方には個人差はあるだろうが、拡大の必要はないかと思う。
フレームレスで、ファンタジーの世界に没頭しそうやね。
広視野角パネル。DELLではWVA(ワイド・ビューイング・アングル)というワードをよく使っているが、直訳の通り、単に「広視野角」を指しているだけ。さらに絞り込んだ液晶パネルの種類(駆動方式)までは触れていない。今回の実機では、BOEテクノロジー の液晶パネル ABOE093Fを採用している。
広視野角だと、極端な角度から視聴しても、色ムラや色調反転などの色度変移が起きにくい。複数人で観るようなシチュエーション、つまり様々な角度から視聴する場合にも好都合。
補足コンテンツ: ディスプレイ基礎知識
- 広視野角とは : 液晶パネル(TFT液晶)の駆動方式
- ディスプレイ表面処理 ~ 光沢(グレア)と非光沢(ノングレア)
- ドットバイドット表示とは : 解像度と画素(ドット)
- 「 画面サイズと解像度 」 の組み合わせ比較
アルミボディの高級感!ダイヤモンドカットがアクセント!
Inspiron 15 Plus(7510)は天板やパームレストにアルミ素材を採用しており、上級クラスの筐体デザインとなっている。サンドブラストの梨地加工、アルマイト加工(陽極酸化処理)でさらっとした手触り。
このカラーリングは「プラチナシルバー」と呼ばれている。
天板中央には少し窪んだ状態で、クロム調のDELLロゴが配置されている。
前面と、左右側面デザイン
前面のデザイン。比較的、先端が鋭利なデザインであり、仮に先端を武器として使用したら破壊力は高い部類に入る。無論、常識の範囲での使用なら怪我することはないが。
右側面。後方に排気口を配置されており、放熱フィンも確認できる。USB端子は中央より少し手前にあるので、有線マウスなど接続ケーブルが少し邪魔になるかもしれない。
重量は1.9kgぐらいなので特別軽量というわけではないが、極薄なのでかさ張らずにカバンに収まる。これだけ高性能なノートがスタイリッシュで、排気システムもしっかりしており、気軽に持ち運べるとは良い時代になったものだ。
左側面のデザイン。こちらも奥に排気口を配置している。こちらも放熱フィンが確認できる。端子は中央あたりの配置。
丸いスリットから覗かせている放熱フィンはこんな具合。(放熱フィンが見えるように画像補正したので、ほかは白く飛んでいる)
ダイアモンドカット加工
Inspiron 15 Plus(7510)の筐体ではパームレストもアルミ素材なので、操作中にも安定した高級感。テンキー付き・バックライト付きのキーボードを搭載。大きなタッチパッド。キーボード上部には通気孔のパンチングメッシュ。
パームレストの周囲にはダイアモンドカットの美しい加工。アルミ素材だからできるメリット。
ダイヤモンドバイトという「精密金型加工に適した刃先の道具」で金属を削るため、ダイヤモンドカット(ダイヤカット)と呼ばれる。アルミの地色を削り出す表面処理加工法であり、金属を削り出したそのままの肌がデザイン性を高める。
背面とリフト・ヒンジ
Inspiron 15 Plus(7510)の背面デザイン。
背面は、アルミ天板の面がそのまま背面側へカーブでつながっていくデザイン。後述のリフト・ヒンジのため、スタンドゴムが配置されている。
ディスプレイを開くと、キーボード面に勾配がつく機構(リフト・ヒンジ)。チルトスタンドの効果があり、傾斜面になったキーボードで打ちやすくなる。さらに底面側に空間が生まれるので、吸気スペースも拡張されるというもの。「ラバー ドロップ ヒンジ」ともいう。なお、ディスプレイの可動域は最大ここまで。一般用途であれば問題ないだろう。
リフト・ヒンジでは、設置面からみるとこのような構図になる。
背面 排気口
内側から見るとヒンジは2箇所あり、その間に排気口のスリットが2箇所確認できる。そしてこの排気口はもっぱらディスプレイの上を通過するエアーフローになっている。デュアルファン内蔵なので、各ファンの位置に配置された排気口と思いきや、右側のスリットは完全には貫通していない。
背面排気口を拡大して確認してみよう。(背面から見て)左側の排気口は放熱フィンを覗かせているが、右側のはほぼ塞がっており放熱フィンのダミーになっている。ただし2ブロックだけは放熱フィンがみえる。ならば一応、排気口としてカウントできるのか・・。この仕様の意味がよくわからないが、とりあえず右側のファンは端子がある側にも排気している。なお、背面の排気口はディスプレイ角度の影響を受けやすい雰囲気なので、左右側面にある排気口がメインとなりそうだ。
ちなみにDELLサイトによると、冷却システムは「デュアルファンと3つのヒートパイプ」を採用した熱分散なんだとか。【うんちくコンテンツ : ヒートパイプを用いた、空冷式CPUクーラーの仕組み】
装備端子~Thunderbolt 4(40Gbps)あり
Inspiron 15 Plus(7510)の右側面では、ヘッドセット端子、USB 3.2-Gen1(5Gbps)端子、SDカードスロット(SD、SDHC、SDXC)を装備。microSDカード・スロットではないので、これは扱いやすい。
右側面では、HDMI端子、USB 3.2-Gen1(5Gbps)端子、Thunderbolt 4(40Gbps)、バッテリーライトを配置。
Thunderbolt 4はUSB4に準拠しているので、USB 3.2-Gen2(10Gbps)、DisplayPort、Power Deliveryにも対応している。
Inspiron 15 Plus(7510)のクイックスタートガイドによる記載。なお、シリアルバスの端子(インターフェース)が複雑かつ難解化してきたので、以下に概要をまとめている。
補足コンテンツ : インターフェース
近年、接続端子に関わるインターフェースが複雑化しており、ここで情報を整理しておく。
USB 3.2への改称について
2017年に「USB 3.2」が発表された。これまでのUSB 3.0 および USB 3.1は伝送路が「1レーン」であるが、これを「2レーン」に束ねることで高速化した。ここで面倒くさい事に、従来(1レーン)のUSB 3.0、USB 3.1を取り込む形で改称がされ、すべて名称は「USB 3.2」で統一された。つまり、「1レーンのUSB 3.2」と、「2レーンのUSB 3.2」が存在する。現在では1レーンが多いので、ややこしくなったら旧称に置き換えるとよい。
- USB 3.2 Gen1 (1レーン・5Gbps) = 旧称 : USB 3.0 / USB 3.1-Gen1
- USB 3.2 Gen2 (1レーン・10Gbps) = 旧称 : USB 3.1-Gen2
- USB 3.2 Gen 2x2 (2レーンで20Gbps) ※コネクタはUSB Type-Cのみ
※2019年2月、策定団体のUSB Implementers Forum 【USB-IF】 によって「USB 3.2」と名称変更。※過去にアップしたレビュー記事では修正を入れないのでご留意を。※USB Type-Cは単なるコネクタ形状の規格であるため、どの転送規格に対応するかは各々異なる。
Power Delivery
Power Delivery(USB PD)とは「USB電力拡張規格」のこと。策定された規格としては、ホスト側から電力を得て“ 数珠つなぎ式 ” で次々に対応周辺機器へ電源供給ができる。さらに詳しくは、“ Power Deliveryについて ” のコンテンツで解説している。
Thunderbolt 4
Thunderbolt 4 規格はUSB Type-C端子を使った “ 最も完全なインターフェース ” と言われ、多くのインターフェースに対して上位互換があり総合的に活用できるのが特長。
Thunderbolt 3と同様、双方向でそれぞれ40Gbpsの転送速度。PCI Express 3.0の4レーンを使うなど前世代から性能の底上げがある。PCIeの転送速度は32Gbps。供給できる電源は15W。策定された規格としては8Kディスプレイへの接続に対応、4Kディスプレイでは2台までの同時接続が可能となった。「ユニバーサル ケーブル」で統合されており、互換性を保持したままで最長2mまで対応。またThunderbolt 4は「USB4 規格」に準拠しているので以下も参照。
USB4
USB4は 「USB 3.2、USB 2.0、Thunderbolt 3」 をひとつにまとめた通信プロトコル。USB Type-Cコネクタを採用。転送速度は2通りあり、USB4 (Gen 3 x1)だと 20Gbps、USB4 (Gen 3 x2) だと40Gbps。 電源供給には 「Power Delivery」 をサポート。映像出力にはUSB4(実質的にはベースがDisplayPort)および、DisplayPortに対応する。なお、Thunderbolt 4ではUSB4に準拠している。※注意事項として、USB 3.2 Gen 2x2(2レーンの20Gbps)の対応は規格外なので、これに対応するか否かは各PCの対応次第となる。
Thunderbolt 3ベースに開発され、このようにデータ転送、電源供給、映像出力が可能。USB 3.2では不可だったDisplayPortやPCI Expressの転送が可能となり “ 従来のUSB規格から継続された規格ではない ” という概念のため「USB 4.0」という表記にならないとのこと。
もっと知りたい、インターフェースの基礎知識
- 周辺機器とつなぐ端子の知識 : 接続端子(シリアルバス規格)の解説
- ディスプレイと接続する端子の知識 : ディスプレイ端子の解説
底面デザイン
Inspiron 15 Plus(7510)の底面では、4本のスタンドゴムを配置。全面が内部アクセスの底面カバーとなっているが、見たところアルミ製のカバーと思われる。デュアルファンを内蔵しているが、吸気口はさほど広面積というわけじゃない。
底面側からみたヒンジ構造。
両サイドに配置されたスピーカー。2W出力にしては、サウンドクオリティはわりと良い。
130WのACアダプタ付属(GeForce RTX 3050 Ti 搭載時)
GeForce RTX 3050 Tiを搭載したInspiron 15 Plus(7510)には130WのACアダプタが付属する。品番はLA130PM190となっている。コネクタ先はDCプラグ。コネクタ先には白い電源LEDライトがついている。以下、リンク先のLA130PM190 単品レビューを参考に。
【単体レビュー:LA130PM190 (ラバー・バンド付き)】
パームレストとキーボード(テンキー&バックライト付き)
Inspiron 15 Plus(7510)のパームレストは高級感あるアルミ素材。プラスチックと比べて操作中の優越感が違う。キーの色はグレーになっている。
わりと広い一体型タッチパッド。
タッチパッドエリアの外周部には、タイヤモンドカットの美しい加工。
キーボード上部にはパンチングメッシュの通気孔がある。
ホームポジションの様子。テンキー付きなのでやや左寄りになる。
Inspiron 15 Plus(7510)のキーボードは、Vostro 5515などで採用されている型のキーボードである。これの詳細はバリエーションを含めたキーボード単体のレビューを参考にしていただきたい。キー配列とキーピッチの情報、掲載画像が特大サイズなので、以下のリンク先にて細部までチェックしてみよう。
【単体レビュー : Vostro 5515などで採用されている、同型キーボード 】
一応、このInspiron 15 Plus(7510)で撮影したものも掲載しておく。解説は単体レビューでしているので省略。公称ではキーストロークが1.3mm。現在の薄型ノートでは平均的というべきか。
指紋認証リーダー統合の電源ボタン。それを示している隣のシールは剥がせる。
バックライト・キーボード機能を搭載している。(F5を繰り返し押すことで、ライトのオンオフおよび、2段階の調光可能)。薄暗い会議室や、寝室などとっさの使用でも室内照明を点けずに操作することができ、わりと重宝する機能である。機能がオンのときは、キーに触れると自動的に点灯する。しばらく操作をしないと自然に消灯する。
最新情報など、詳しくはDELLサイトへ
Inspiron 15 Plus(7510)のレビューは以上。ここで紹介した実機は一例の構成であり、ユーザーの選択や販売時期により異なる。紹介した内容がすべて標準搭載というものではなく、購入の際はオプション搭載があることを留意していただきたい。
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レビュー項目
- DELL Inspiron 16 Plus (Inspiron 16 7610)レビュー!
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- モバイル版 GeForce RTX 3050 Ti と、RTX 3050の比較