DELLノートパソコンのキーボード!使用感レビュー!
DELL Latitude 9410などのキーボード・パーツ
DELLノートパソコンに搭載されているキーボードは「自社の汎用パーツ」であり、複数の自社製品のなかで汎用的に流用される。そのため、各DELLノートのレビュー記事では、「キーボード使用感」の箇所でたびたび内容が重複する。たくさん画像を掲載したいこともあって、各製品ごとに同じパーツを毎度繰り返すのは非常に面倒くさい。そこで記事が流用できるようにページを分け、ここでキーボード・パーツに特化した記事にしている。そのためここで被写体となっているノート製品は別として、単にキーボード部分だけを参考にしてもらいたい。また、カスタマイズPCという性質上、同PC製品でもいくつかのキーボードが選べる場合がある。あくまで一例である。
キーボードのバリエーション
このキーボードの型では、それぞれバックライト機能に有無がある。見た目の違いは「F5キーにバックライト・マーク」があるか無いか。 右端キーから左端キーまでの幅は272mmであった。
バックライト機能付き ※Latitude 9410
この型のキーボードでバックライト機能を実装しているタイプ。被写体は2020年9月レビューのLatitude 9410。
まずキー配列をチェック。配列に関しては概ね好印象。著しく小さいキーもない。すでに主流となった浮石型のアイソレーションキーボード。比較的、キーとキーの間隔が広めにとられている印象。Enterキーはしっかり面積を取っているが、その分、Enterキーの左隣にある4つのキー(@「:」)がやや小さくなっている。半角全角キーが小さくなっていない代わりに、back spaceキーから左へ3つまでやや小さいキーになっている。
カーソルキーはさほど大きくはないが、段差配置になっているため扱いやすい。近くにPageUp / PageDownが配置されているのが少々邪魔くさいが、ちょっと間隔を取るなど配慮はしているようだ。
ホームポジションの様子。※Latitude 9410にて
このキーボードの基本構造
このモデルは、地盤がパームレスト部分と一体型のタイプ。「キー部分のくり抜き型」である。キーボードエリアが少し窪地または低地になって、くり抜かれた穴からキートップが頭を出している構造。つまりキーボードの地盤は、そのままパームレスト全体の一部(1プレート)となっている。(補足:キーボードの地盤について)
アイソレーション・キーボード採用
このモデルは「アイソレーション・キーボード」を採用している。アイソレーションとは「分離、独立、絶縁」という意味である。キー同士の間隔が広く取られているので、キーが浮石のように独立している。この構造は誤接触が軽減されるため、爪の長いユーザーでも扱いやすい。そしてキーボードの内側にホコリが入りにくいメリットもある。ただし、ゲームユーザーには好まれていないタイプである。現在では主流となっており、当方のレビューを通してみると、2011年を境に急増した。キーボードの右側拡大。
左側拡大。
ファンクションキーと、兼用化されているマルチメディアキー
ファンクションキー(F1 ~ F12)と、マルチメディアキー(または設定キー)が兼用になっている。このように2つの機能を兼用するキーのため、優先設定(プライマリ動作)になっていない方は、キーボード左下側にある「Fnキーと同時押し」により使える。なお、「Fn + Escキー」を押すと、その優先キーを切り替えることができる。
厳密には、Fn + Escキーを押すことで 「優先設定されているマルチメディア機能」 を無効にし、ファンクションキーのみ有効にするという概念である。Fn + Escキーを押すことは「Fnキーのロック、およびロック解除」であるため、Escキーの右下にあるマークが「Fnの南京錠アイコン」になっている。理屈は面倒くさいので、使用に際しては単に「Fn + Escキー」を押すと優先キーを切り替えられると理解してよい。ほかの方法では、BIOSセットアップでもファンクションキーの動作を変更することが可能。
F1~F4までは音量調整や再生停止といった「メディア・コントロールキー」、F5はバックライトキーボードの切り替えスイッチ、F6とF7はディスプレイ輝度調整、F8はディスプレイの切り替え、ほかは印字の通りの兼用となっている。ファンクションキーの数字印字は小さいがマシな方で、また白色というより若干アイボリー寄りの白になっている。
キートップ形状
拡大してみるとキートップは僅かに湾曲しているものの、さほど指先にフィットする感じはなく、指先を滑らすようなタイピングに向く。
キータッチの様子。および指先とキーとのサイズ比較。メインのキー、Enter、半角全角、BackSpace・・・。
ファンクションキーやカーソルキーなど小さいキーでも、アイソレーションキーボードのため誤接触によるミスは少ないだろう。
キーサイズと、キーピッチ
キーサイズでは、メインキーの幅が14.5~15mmくらい。キーピッチは約19mmをキープしている。Enterキー周りの小さいキーではキー幅が約12mmくらいで、キーピッチは16.5mmほど(17mmまでは行かないかな)。
ファンクションキーのキーピッチは約19mmに近い。キー自体は小さいが、キーピッチはフルサイズ並であり、このキーピッチならば誤接触はほぼないだろう。
キー・ストローク
キーストロークのチェック。まずは押下状態の様子。
家庭レベルの測量で厳密ではないが、直尺で測ったところキーストロークは約1.5mm。2020年時点のノートPC情勢では、わりと深めである。しっかりした押下を感じられるキー・ストロークといえる。
これが正解というつもりはないが、ノートパソコンのキーストロークにおける「個人的な目安」を以下のように設定している。
キー・ストローク | 個人的に設定している目安と、その印象(2020年度版) |
2.0mm | 2020年時点の感覚では「十分に深め」のキー・ストローク。なお2010年~2013年ごろの、「厚み28mm以上、光学ドライブを内蔵するDELLノート製品」では標準的なキー・ストロークだった。 |
1.5mm~1.9mm | 光学ドライブが無く、薄型ノートが多くなった2020年時点の感覚では、「まあまあ深め」と感じるキー・ストローク。 |
1.2~1.4mm | 厚み20mm以下、光学ドライブ非搭載のノートでは標準的なキー・ストローク。13.3インチ・モバイルノートもこんな感じ。 |
1.0mm以下 | 測量する前から、直感的にすぐ「浅い」と感じるキー・ストローク。これより浅いと、打鍵感はプチプチした感覚になるかも。 |
※ここで言う「厚み」とは、ディスプレイを閉じた状態でのノート本体厚み
押下圧(キーの重さ:キー荷重)
押下圧をチェック。精密に測る機器はないので、原始的に分銅を乗せてキーの重さ(荷重)を家庭的に測った。勢いをつけない状態でキーが押下され底打ちする質量である。 メインキーとして「Gのキー」の押下圧を調べると、70gだった。測量前から体感で分かったが2020年ではまれに見る重さであり、しっかりした手応え(反発力)のある打鍵感が期待できる。
押下圧の比較参考
過去に押下圧を測ったキーボードの結果。ただし、押下圧が同じでもキータッチの感覚まで同じとは限らない。メンブレンやメカニカル、パンタグラフといった構造の違い、キーストロークの深さによって印象は変わってくる。あくまで数値上で比較したものである。同キーボードの個体差までは考慮していないので厳密性はない。目安として個人的な判断だが「ノートでは60gあたりを一定基準」としている。70g近くあると直感的に分かるくらいしっかりした圧がある。50g以下はかなり軽い印象を受け、個人的にはスカスカした感触で嫌い。
押下圧はキーの重さであり「キー荷重」とも言う。軽いと高速入力に向く反面、慣れないと誤入力の要因になる。キーの配置ごとにキー荷重を変えている製品もあり、例えば力の入りにくい「小指が押すキー」は、人差し指で押すキーよりも2/3くらいの荷重に抑えるなどの工夫がされることもある。そうであればEnterキーは比較的軽く設定されているはずだが、統一性はなく実際はかなりバラツキがあるようだ。
製品 | ノート概要 | メインのキー(Gとする) | Enterキー (最も軽い箇所の場合) |
XPS 13-9300 | 2020年の13.4インチノート | 63 g | 57 g |
Vostro 15-5590 | 2019年の15.6インチノート | 60 g | 56 g |
XPS 13 7390 2-in-1 | 2019年の13.3インチ2-in-1 ※磁気浮遊式(MagLev)キーボード |
54 g | 40 g |
Inspiron 13(5390)Wi-Fi | 2019年の13.3インチノート | 62 g | 65 g |
Latitude 5500(P80F) | 2019年の15.6インチノート | 60 g | 61 g |
Latitude 5300(P97G) | 2019年の13.3インチノート | 64 g | 62 g |
Vostro15-3581 | 2019年の15.3インチノート | 58 g | 64 g |
Vostro 14 (3481) | 2019年の14インチノート | 58 g | 50 g |
Inspiron 17R(5721) | 2013年の17.3インチノート | 73 g | 68 g |
XPS 17(L702X) | 2011年の17.3インチノート | 69 g | 65 g |
XPS 17(L701X) | 2010年の17.3インチノート | 69 g | 60 g |
Inspiron 13z(N301Z) | 2010年の13.3インチノート | 62 g | 68 g |
Inspiron Mini 10v | 2009年の10.1インチ・ミニノート | 59 g | 63 g |
製品 | テスクトップ向けキーボード | メインのキー(Gとする) | Enterキー (最も軽い箇所の場合) |
KB216d | 2019年~、DELL付属キーボード | 62 g | 67 g |
KB216t | 2015年~、DELL付属キーボード | 57 g | 62 g |
SK-8165 | 2011年・XPS 8300付属キーボード | 55 g | 50 g |
G105 | ロジクール・ゲーミングキーボード | 57 g | 55 g |
K270 | ロジクール・エントリー | 68 g | 67 g |
K240 | ロジクール・エントリー | 58 g | 59 g |
OWL-KB109BM ⅡR | オウルテック・赤軸メカニカル | 55 g | 50 g |
※備考: 自己処理的な情報なので、まじまじと参考にされても困る。
バックライト・キーボード機能を搭載
バックライト・キーボード機能を搭載(F5を押すごとに、バックライトのオンオフおよび、2段階の調光が可能)。薄暗い会議室や、寝室などとっさの使用でも室内照明を点けずに操作することができ、わりと重宝する機能である。機能がオンのときは、キーに触れると自動的に点灯する。しばらく操作をしないと自然に消灯する。
F5キーを押す | 1回目 | 2回目 | 3回目(4回目は最初に戻る) |
キーボードの バックライト挙動 |
ライト機能ON(輝度最大) ※暫く操作しないと消灯。触れれば再び点灯 |
調光(輝度弱) | ライト機能OFF(常に消灯) |
※キーボード・バックライトでは、F5キーを押すごとに、このような順で挙動していく。(設定キーが優先にされていない場合はFnキーと同時押し)
点灯中の各キーの様子。ファンクションキーの数字部分が角度によってはかすれがちになるが、その他は概ね良好。
バックライト点灯中の左側。真っ暗の中での写真撮影が難しく、実物はもう少しキレイな点灯であることを付け加えておく。
DELLノート製品例(バックライト機能付き)
2019年8月レビューした14インチ2-in-1ノート、DELL Latitude 7400 2-in-1(P110G)でも同じキーボードパーツが搭載されていた。
同型 バックライト機能無し ※被写体: Latitude 5400
上記キーボードパーツから、バックライト・キーボード機能を省いたタイプ。被写体は、2019年7月にレビューしたLatitude 5400(P98G)。※以前、Latitude 5400(P98G)のキーボードパーツでも紹介しているが、画像が小さいので改めてここに掲載している。
ファンクションキーをみると、F5に「バックライト・キーボードのマーク」が印字されていない。つまり非搭載ということ。細かいところを見ると、光源透過の必要がないからか、ファンクションキーの数字がしっかり白色で印字されている。見た目の違いはそこだけ。
DELLノート製品例(バックライト機能なし) ※Latitude 5411
この型のキーボードで、バックライト機能なしの製品例。※被写体は2020年9月レビューのLatitude 5411。 見ての通り、F5キーに「バックライト・キーボードのマーク」が印字されていない。
キータッチの様子。レポートは以上。
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※DELLは、「顧客満足度調査 2019-2021年 デスクトップPC部門3年連続1位」 ※出典-日経コンピュータ 2020年9月3日号より
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