Core i7-4960X Extreme Editionのオーバークロックを楽しむ
Core i7-4960X Extreme Editionを搭載したENVY Phoenix 810-190jpにて、オーバークロックに挑戦してみた。オーバークロックをするとPCを壊してしまう可能性があり、試すならある程度の知識とリスクの覚悟が必要になる。製品寿命を縮めてしまうことは言うまでもない。そのためHPのサポート対象外であり、自己責任による戯れになることをご理解いただきたい。※HPのサポート対象外とはいえ、システムとしてはオーバークロックが開放されている。
2014年3月時点のレビューであり、手元にある実機の現状に基づいた情報である。
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OS | Windows 8.1(64bit) |
プロセッサ | Core i7-4960X Extreme Edition |
メモリ | 16GB (8GB × 2)DDR3 SDRAM メモリ(1600MHz) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 770 (2GB) |
ストレージ | 1TB SATA HDD(7200回転) × 2台 + 128GB SSD |
ターボブースト倍率変更によるオーバークロック
一般的な倍率変更によるオーバークロックについて基礎知識を解説する。かなり初歩的なことしか言っていないのであしからず。
ベースクロックと倍率について
CPUには「100MHzや133MHz」というようにベースとなるクロックがあり、この倍率をあげることでクロックアップしていく。クロックアップは内部倍率で行われ、例えば2.66GHzのCPUで20ベースで生成されているなら1ベースが133MHzである。※構成ベースはCPUによって異なる。
ターボ・ブースト・テクノロジーによってクロックアップされると、1段階で1ベースずつアップする。この図では+133MHzずつアップしている様子を表している。 何段階までアップするのかはCPUによって異なる。(ターボ・ブーストテクノロジーで最大何クロックまで上がるかということ)。
ターボ・ブースト・テクノロジーのクロックアップと、オーバークロックの違い
システム的には似ているので混同されがちであるが、ターボ・ブースト・テクノロジーは定格内で行っているクロックアップであり、定格外のオーバークロックとは違う。消費電力・電圧や発熱などがコンピュータ側で計算されたクロックアップなのでターボ・ブースト・テクノロジーにリスクは無い。
一方、リスクありのオーバークロックは、ユーザーによる「さじ加減」であるため、消費電力や発熱・電圧・倍率などを見誤ればPCが壊れてしまうというわけ。そしてオーバークロックを行うには倍率ロックフリー・モデルのCPUが必須であり、どのPCでも行えるわけではない。
倍率ロックフリー・モデルが必要
オーバークロックを行うには、Core i7-4960X Extreme Editionのように Extreme EditionがつくCPU、またはCore i7-4770Kのような末尾にKがつくCPUが必要である。※倍率ロックフリー・モデルという
UEFIで、Core i7-4960X Extreme Editionの倍率をチェック
Core i7-4960X Extreme Editionは6コア実装のCPUであり、動作周波数 3.6 GHz、 ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4 GHz である。Core i7-4960X Extreme Editionのベースクロックは100MHzであり、100MHzづつクロックアップできる。
UEFIを起動して「Core i7-4960X Extreme Editionのデフォルト倍率」をチェックする。パソコンの電源を入れてWindowsが起動する前に「Esc」を押すとUEFIの起動メニューが出る。「コンピュータセットアップ⇒電源⇒オーバークロック」から確認できる。
上限が設定されている「Core i7-4960X Extreme Editionのデフォルト倍率」はこの通り。ターボ・ブーストのクロックアップはこの上限で行われる。
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4 GHz であるが、これを見ると1コアのみであることがわかる。(100MHz × 40倍=4GHz)。6コアのうち、この設定より1つでも数値を上げればオーバークロック設定になる。
一般的なオーバークロック・チェック項目
PC環境に応じて色々をあると思うが、基本的なオーバークロックのチェック項目は以下のとおり。
- EISTなどの省電力機能を無効にする
- CPUの倍率を軽い設定から始める。謙虚に余裕を持って・・
※一気に上げてしまうと限界ラインが分からず、フリーズの原因となる。
※限界付近でOSを起動するとパーツ破損のリスクが高い(ベンチ中よりも高い負荷がかかるため)
※1倍ずつ上げ、ベンチ実行、フリーズしない範囲を探す - CPU電圧の調整(Vcore)~高過ぎるとCPUクロックアップの障害になることも。
1.5Vあたりが限界値目安。1.35V前後が無難。 - メモリクロック~控えめの設定がコツ。上げ過ぎは逆にマイナス点および破損の原因
- CPU温度が70~80度になるようなら危険
- ベースクロックのクロック数は変更しないほうが良い(倍率のみにする)
ユーティリティソフトのインテルExtreme Tuning Utilityを使う
先述のようにUEFIから倍率変更を行えばいいのだが、設定のたびに起動するのは面倒臭いので、Window側で設定できるユーティリティソフトを使うことにした。HPではオーバークロック保証対象外なので、当然のことながらプリインストールはされていない。
そこでインテルサイトからExtreme Tuning Utilityをダウンロードして使うことにした。設定ではRuntime Turbo OverrideをEnable(有効)にする。ビギナーなので電源の項目はデフォルトのままにした。
Core i7-4960X Extreme EditionはUEFIで確認したとおり、倍率「40x、39x、39x、38x、37x、37x」がデフォルトである。(6コア実装)。そしてメモリはデフォルトのままにした。つまり今回は、倍率変更だけのシンプルなオーバークロックを行う。
なお、Core i7-4960X Extreme Editionは63倍まで設定できるが、こんな倍率に設定したら「確実に壊れること」が目に見えている。鉄則通り1倍ずつ上げていかねばならない。
ちなみにCore i7-4770Kは80倍まで可能だが、現実味を帯びていない。
ストリートファイター4ベンチでオーバークロックの効果を見る
ストリートファイター4ベンチを起動しオーバークロックの効果を試すが、同時にCPU-Zを起動させて、「倍率が正しく認識されているか、クロック数はあがっているか」をモニタリングする。
CPU-Zの赤枠のところをモニタリング。Extreme Tuning Utilityも起動したままにした。
第1段階!デフォルトのまま
まずはオーバークロックなしの「40x、39x、39x、38x、37x、37x」では、518.00FPSだった。前頁で紹介したベンチマークテスト結果では533.75 FPSであるが、ここのテストではCPU-ZとExtreme Tuning Utilityを同時起動しているので、若干スコアが落ちている。
第2段階!すべて42xに倍率を上げる
本来なら41xからスタートすべきだろうが、横着してALL 42xからスタート。結果、592.65 FPSまで上がった。
まだまだPCは安定しているようだ。
第3段階!すべて43x
次はALL 43xに設定。結果、598.57 FPSであり、前回から極々わずかしか向上しなかった。
第4段階!2コアを44xに
全コアを均等に上げても無意味だと思い、2コア分を44xにして残りのコアを40xに設定した。
功を奏したのか600 FPSを超え、620.26 FPSを記録。デフォルト時の518.00 FPSと比べると、大きな差を見せつけた。
第5段階!2コアを45xに(ここらが限界か?)
2コア44xに気をよくして、今度は2コア分を45xにし残りのコアを40xに設定した。
するとベンチマークテスト中に強制シャットダウン!!スコアは分からずじまい。CPU温度は50度あたりだったので発熱の問題ではなさそうだ。とにかく45xが限界倍率というところだろう。
強制シャットダウンが突如発生すると、心臓にチクリとくる。臆病者のパソ兄さんには、オーバークロックが肌に合わないと確信した・・。オーバークロックは常用すべきでないと思うが、強いていうなら42xあたりがちょうどいいと思われる。
追記~45xに再チャレンジ
やや無理を利かせて45xに再度チャレンジしたが、パフォーマンスが落ちており意味がなかった。オーバークロックは奥が深い・・・。レビューは以上!
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